共同発明者の記載漏れで特許無効——連邦巡回控訴裁判所がFortress Iron事件で判示

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共同発明者の記載漏れで特許無効——連邦巡回控訴裁判所がFortress Iron事件で判示

米国連邦巡回控訴裁判所は2026年4月2日、垂直ケーブルレール障壁に関する2件の米国特許(特許番号9,790,707および10,883,290)について、共同発明者を正しく記載していなかったとして無効とする判断を下した。Fortress Iron LP事件(判決主文はLourie判事による)は、米国特許法における発明者適格要件の厳格性を改めて示す判例となっている。

本件の事実経緯は以下のとおり。Fortress Ironの従業員2名およびQuan Zhou Yoddex Building Material Co., Ltd.(中国の建材企業)の従業員2名が、共同でこのケーブルレール技術を構想・開発した。しかし、登録された特許にはFortress Iron側の発明者のみが記載され、中国側の2名の共同発明者が適切に記載されていなかった。

地方裁判所は要件事実の認定に基づき両特許について無効とする要約判決を認容。連邦巡回控訴裁判所はこの判断を維持した。共同発明者の記載漏れは、米国特許法101条(特許適格性)や103条(進歩性)とは異なる次元の瑕疵として機能し、特許権の根拠そのものを失わせるという原則が再確認された形だ。

本判決の実務的な影響は大きい。国際的な開発チームで特許を出願する際、全発明者の適切な記載がいかに重要であるかが示された。特許発明の概念設計から実装まで関与した者すべてを記載する必要があり、その要件を満たさない限り、特許権そのものが無効とされるリスクがある。

米国特許法では、発明者は「請求項に含まれる発明の実質的な部分の構想に寄与した者」と定義されており、その判定は個別の事案ごとに慎重に行われる。本事件は、国境を超えた研究開発における法令遵守の重要性を改めて浮き彫りにした。

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