英国IP Officeが特許デジタルサービスを稼働——「One IPO」改革が加速

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英国知的財産庁(IP Office)は2026年4月1日、特許の出願・管理・更新を一元的に行う新デジタルサービスを正式に稼働させた。これはIP Officeの大規模デジタル改革プロジェクト「One IPO」の一環であり、将来的には商標・意匠サービスも同一プラットフォームに統合される予定である。

英国政府の公式発表によれば、新サービスは段階的に展開されている。まず「知的財産の管理(Manage intellectual property)」サービスが利用可能になり、ユーザーは初めてデジタルIPアカウントを作成できるようになった。このアカウントが他のすべての新デジタルサービスへのゲートウェイとなる。

次に「特許出願(Apply for a patent)」サービスが公開された。このサービスでは、ユーザーは申請書類をどの順序でも完成させることが可能で、下書き状態での保存や同僚とのコラボレーション機能が搭載されている。従来のオンライン出願システムと異なり、より柔軟で使いやすいユーザーインターフェースが採用されている。

サービス開始に伴い、重要な変更が実施された。IP Officeのブログによれば、2026年4月1日以降、欧州特許庁(EPO)のElectronic Online Filing(eOLF)サービスを経由した英国特許出願の提出は廃止された。ただし、従来のWeb Filing サービスとメール提出方法は2026年半ばまで引き続き利用可能である。

英国特許出願人にとっての実務的な変化は大きい。新システムへの移行が必須となるため、出願人は新サービスの使い方を学ぶ必要がある。IP Officeは対応支援を充実させており、GOV.UK上の更新ガイダンス、詳細な使用方法のガイドページ、デモビデオライブラリ、毎週開催される初心者向けウェビナーを提供している。

この改革の背景には、英国の特許出願プロセスを現代化し、ユーザー体験を向上させるという目標がある。デジタル化により、出願者はより効率的に特許権を取得・管理でき、IP Officeも処理コストを削減できるとみられている。

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パテント探偵社 編集部

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