特許庁が2026年4月1日、改訂審査基準を施行した。AI関連発明・ソフトウェア特許の適格性判断、ビジネスモデル特許の進歩性評価など、複数の領域における審査実務が大きく変わるもので、国内企業の出願戦略・知財ポートフォリオに直結する改訂である。
本改訂の主な変更点は以下のとおりである。(1)AI・機械学習発明について、「自然法則の応用」の判断基準を明確化し、具体的な技術的効果が生じるケースをより広く適格発明として認める。(2)ソフトウェア特許における「プログラムの構成の工夫」と「ハードウェア資源の最適配置」のいずれかが存在すれば、特許適格性を肯定する方向性を示す。(3)ビジネスモデル特許について、技術的な実装方法が存在する場合の評価を整理する。
本改訂は、国内企業のAI知財戦略の実効性を高める方向性を示唆している。従来、AI関連発明は自然法則の応用性が不明確として拒絶される傾向があったが、本改訂により適切な明細書記載があれば特許化の道が拡張される。
審査実務への具体的な影響としては、AI学習モデルの改善方法・推論ロジックの工夫が、より容易に特許化される可能性がある。また、プラットフォーム企業によるビジネスモデル特許は、技術的実装の詳細度により可否が分かれる可能性が高まる。
産業界からの反応では、スタートアップ・中堅ソフトウェア企業が本改訂を好意的に受け取る傾向が見られる。AI知財の不確実性が低下することで、研究開発投資と知財出願のバランスが改善される見通しである。
米国・欧州の審査基準との調和も進展する可能性があり、国際出願戦略の効率化が期待される。知財実務家は、新基準に対応した明細書記載方法・請求項クレーミングの最適化を進める必要がある。
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パテント探偵社 編集部
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