最高裁がISP著作権侵害責任事件をCox判決に照らして差し戻し——インターネット接続業者の過失責任ルール再検討へ

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米最高裁判所は2026年4月、インターネットサービスプロバイダ(ISP)に対する著作権間接侵害(contributory infringement)責任に関する第5巡回区控訴裁判所の判決を破棄差し戻した。同裁判所の最近の判例に基づいた再審理を命じた。

本事件はGrande Communications社による異議申し立てで、第5巡回区がISPに対してSony Music Entertainment等の著作権者に対する過失責任を認めていた。最高裁はこれを差し戻し、自らの最近のCox Communications v. Sony Music Entertainment判決に照らして検討し直すよう指示した。

Cox判決は、ISP等の中立的な技術サービス提供者に対する過失責任判断の基準を示した重要な決定である。今回の差し戻しは、ISPが著作権侵害幇助責任を負う条件について、より厳格な基準が適用されることを意味する可能性がある。

特に、ISPが侵害行為を「知っていたか」「積極的に幇助したか」という点で、従来より高い立証が求められる見通しとなっている。技術中立性の原則と著作権保護のバランスについて、米国の司法判断は引き続き進化している。

本差し戻しはまた、デジタルプラットフォーム事業者全般に対する間接侵害責任の判断枠組みにも波及効果をもたらす可能性がある。特にオンラインサービス提供者の法的責任の限界をめぐる議論は、今後の標準的解釈として定着していくものと予想される。

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パテント探偵社 編集部

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